Entries
映画『ヴァージン・スーサイズ』
Amazon.co.jp
1970年代、アメリカ郊外の静かな住宅地。両親は保守的で厳しいが、何不自由なく暮らす美しい5人姉妹の末娘が自殺を図る。そしてその死から1年も経たないうちに、残りの姉妹もすべて自殺してしまう…。姉妹に憧れていた少年たちが回想する形を取りながら、少女の危うさとエロチシズムを繊細な映像と音楽で描いている。 フランシス・フォード・コッポラの実娘ソフィア・コッポラの長編第1作であるこの映画、演出上の食い足りなさは残るものの、そこが妙に映画のテーマである少女性にマッチしていて、あやうくうっとりしてしまう。少年たちが電話を通して姉妹に70年代の切ないポップスを聴かせるシーンは印象的。キャスティングは秀逸。特に奔放な四女ラックスを演じたキルスティン・ダンスト(『スパイダーマン』)の美しさは出色だ。(茂木直美)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
名匠フランシス・F・コッポラの愛娘、ソフィア・コッポラの初監督作。70年代のアメリカを舞台に、美しい5人姉妹に心を奪われた少年たちの姿を斬新なタッチで描く。
原作はジェフリー・ユージェニデスの小説『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』です。
内容(「BOOK」データベースより)
リズボン家の姉妹が自殺した。何に取り憑かれてか、ヘビトンボの季節に次々と命を散らしていったのだった。美しく、個性的で、秘密めいた彼女たちに、あの頃、ぼくらはみな心を奪われ、姉妹のことなら何でも知ろうとした。だがある事件で厳格な両親の怒りを買った姉妹は、自由を奪われてしまった。ぼくらは姉妹を救い出そうとしたが、その想いが彼女たちに伝わることは永遠になかった…甘美で残酷な、異色の青春小説。
この映画は登場人物の行動に謎と不可解な部分が多いですね。ターニングポイントとなるシーンでは特に。
末娘セシリアが手首を切った理由も、フットボール場で一夜明けたトリップの心変わりも、一度は握ったと思った救いの手を振り払う少女の態度も合理的な説明は成されない。「これこれこうだから、彼女たちは死ななければならなかったのだ」なんてモノローグで説明されたら興醒めですが。ここでは唐突に起こるので理解の手がかりも与えられない。
行動の突発性と矛盾が大事な話なのかなと思います。
物語の登場人物って、どんだけリアルに造っても所詮は管理されたキャラクターなんですね。常に非矛盾性が求められる。前のシーンと後のシーンで同じ人物がまったく違うことを言ったり、やったりするのは基本的にNGです。物語の最初と最後でキャラクターが変化するのを俗に「成長した」とも言いますが、この場合は間に変化の兆しをコネクターとして噛ませるのがセオリー。それがないと観てるほうは「こいつ言ってることがコロコロ変わるな。人物設定に一貫性がないぞ」となるわけです。
現実の人間はつまらないことで心変わりしたり、自分が5分前に発した言葉を反故にしたりしょっちゅうですが、作り物の世界では観客を納得させられるかどうかはともかく、説明できる理由が必要になります。
ポストモダン文学の説明は面倒だからポイしちゃいます。
で。
『ヴァージン・スーサイズ』では姉妹の行動に多くの疑問が寄せられると思います。家の前の木が切られそうになったとき、寝間着で飛び出して職員に食ってかかる元気あるなら、どうして少年たちと一緒に行かなかったのか? なんてのは最たる物じゃないでしょうか。
この作品が一面的には10代の危うさや鬱屈した感情を描いてるという見方は、多くの賛同を得られると思います。一面的にと書いたのは語る側――少年たちの成長物語としても観られるからです。
保守的で厳格な母親や、狭い町で周りの家に見張られながらの生活で抱え込んだ閉塞感に苦しめられた少女たち。そこから抜け出すため彼女たちが選んだのは周りと同化して賢く生きることではなく、自分の存在は自らを置いて誰にも自由に出来ないのだと示すことでした。
管理の手を擦り抜けようとする姉妹の行動と、登場人物の約束事に縛られまいとする矛盾性がリンクしてるように見えました。
姉妹の近所に住んでいた男が中年になっても彼女たちを忘れられないのは、きっと姉妹が最も輝いていた、磨り減る前の時期に時計を止めてしまったからなんでしょうね。
| ヴァージン・スーサイズ [DVD] | |
![]() | ジェームズ・ウッズ, キャスリーン・ターナー, キルステン・ダンスト, ジョシュ・ハートネット, ソフィア・コッポラ 東北新社 2001-02-02 売り上げランキング : 23660 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
- Tag List
- [映画感想]
![ヴァージン・スーサイズ [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/21AJJJDN0XL._SL160_.jpg)









なんでかっていうと、世の中にはこっちの納得がいかないことってたくさんあるでしょう。生きている人は、そういうことをずっと考え続けなければならない。そういう映画なのかなって思いました。
解釈が違ったらごめん。